蕩羅う

動詞 ★造語 たゆたう

たゆら‐う 動詞〔自五〕

風を受けた薄絹や柳の細枝のように、やわらかく揺れながら漂う。定まった形にとらわれず、しなやかに行き来して結び付きを織り重ねる。考え・感情などが確固とせず、ゆるやかに揺れ動く。

用例

万葉集に由来

万葉集に登場する古語「たゆらに」から着想を得た、琴川夕星による造語。

  • 巻14・3392番(東歌・筑波山の歌)
  • 原文:筑波嶺之 岩面轟 落水 余二多由良尓 吾念名苦
  • 訓読:筑波嶺(つくはね)の 岩もとどろに 落つる水 よにもたゆらに 我(わ)が思はなくに
  • 現代語訳の例:筑波山の岩がとどろくほど激しく落ちる水のように、決して世間一般のように(不安定に・ふらふらと)あなたを思っているわけではない(=私は迷いなくあなたを強く思っている)

当て字の意図

蕩(つたよ)う

波間や風に揺れ動いて定まらない様子。ゆらゆらとただよう。心が決まらず、はっきりした目的もなくあちこち動く。

羅(ら)

うすぎぬの織物。うすもの。魚などをとらえる網。連なり。間をつめてならぶ。

一点に定まらずやわらかく変化する様子と、しなやかに広がりゆくイメージを組み合わせている。