余剰
名詞 よじょうsurplus
余剰(よじょう、英:Surplus)とは、持っているものから必要なものを差し引いて、余っているもの。自分が満ち足りている状態で、分け与えることができるもの。
一般的な定義〔通説〕
必要量や消費量を上回って残った分。経済学では、取引によって生じる純便益を消費者余剰・生産者余剰として定式化する。
余剰は、贅沢ではない
余剰はしばしば無駄や贅沢と混同されるが、両者は別物である。 必要だけで組まれた系には、あそびがない。機械のハンドルに意図的な緩みが要るように、余剰のない存在は、環境のわずかな揺らぎで壊れる。余剰とは、存在に組み込まれた構造的な余白であり、動的平衡を保つための緩衝である。 そして余剰は、関係の資源である。自分に必要な分しか持たない者が分け与えれば、それは自己の切り崩しになり、やがて見返りへの渇きや怨嗟——ルサンチマン——に転じる。楽に達した者が余剰から分け与えるとき、そこに犠牲はなく、ゆえに負債も生まれない。成仏が「引っ張り上げること」ではなく「力を与えること」でありうるのは、それが余剰から差し出されるからである。
必要は、生きるために要る。余剰は、生かし合うために要る。